好きな写真と写真家 유광수/劉光修 Yoo, Kwang-Soo
- 大塚巧
- 2017年8月25日
- 読了時間: 2分

慶尚北道安東市(경상북도안동시)の安東布展示館(안동포 전시관)で、安東布の制作現場をデジタル撮影しました。
安東布は、大麻(삼베)です。日本各地方の現場と同じで、大麻取締法と、中国産の廉価なヘンプのお陰で、大麻布は廃れる一方で、「保存会」のような形で辛うじて残っているといった状態でした。
写真が数点飾られており、それは実際の農家の現場で撮られたもので、けれども、「記録」を超えて、とても芸術的で素敵な写真たちでしたので、写真集を購入しました。それが、「劉光修 寫眞集」길쌈이야기/Weaving Story/ 유광수사진집/ Photograhs by Yoo, Kwang-Soo 2011.5.11 도서출판 온누리 です。全てモノクロ写真という潔さが気に入りました。
この被写体は、私の被写体でもあります。
私は自分自身でも、大麻の糸績み(麻績み)をしており、地機で大麻布も織ってます。しかし、「工藝」として「修練」している訳ではなく・・・ならば、「何のため?」 と尋ねられても返事に困るのですが・・・(>_<)。
まぁ、強いて言えば、私にとって「手織り」とは、古代希臘神話にあるように、「宇宙」の原理のミメーシス、フラクタル構造なのです(^0_0^)! ラケシス、アナンケ、モイラの3人娘が「時間」を創造している・・・それを再現しようとする行為が「手織り」なのだと思うのです。0次元から1次元の「糸」を「手績み」し、1次元から2次元の「布」を「制作」する・・2次元から3次元の「衣」を「創造」する! 「宇宙創成」をシミュレートする行為が「手織り」なのだと思うのです。
だから、「機織り」は「祈り」なのです。
「写真家」として、「写真家」という「専門家」として、そんな「機織り」の現場を撮る・・それとは違って、「撮る」人間が同時に「織る」人間である・・しかも、韓国語を話す日本人が、韓国人でも関心を持つ人が少なくなりつつある被写体を撮る・・・そんな「寫眞」を「撮る」のでなければ私が「撮る」意味がないようにも思うのです。
それが、私のHolistik なのだから。 そんなことを確認したくて、久しぶりに韓国の地方の農村に行きました。
私にとって「韓国」は「精神的な世界」であり、それは、私自身にとっても一番大切な「世界」であることを再確認しました。
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