好きな写真と写真家 Brassai(ブラッサイ/ 1899-1984) Paris de nuit(夜のパリ) graffiti(壁の落書き)
- 大塚巧
- 2017年9月2日
- 読了時間: 2分

中学生の頃、月刊誌「スクリーン」の愛読者で、毎週末映画館に入り浸ってました。「赤い風車」「第三の男」「鉄道員」「禁じられた遊び」といった、当時でも「古典」から、アランドロン主演もの、マカロニウェスタン等と夢中になって見まくっていました。
ブラッサイの写真を見ていると、当時映画館で見た、「赤い風車」等の古いモノクロのパリを想い出します。ただ、ブラッサイは、かなり以前に「世界の写真家101」で知って、特にマークしていて、写真は、ネット上で見ただけで、未だ、「写真集」の現物は見てないのです。何処か図書館で是非見てみたいものです。

ブラッサイを「写真家」としてのみならず、「詩人,彫刻家」と呼んでいる人もいるくらいで、ブラッサイの写真には軽妙な文章が添えられているとのこと。フランス語ができないのが残念です。ブラッサイ本人が登場するフランス語の動画もネット上で見れますが、同様にフランス語ができない自分に腹が立つ程です。

しかも、ブラッサイは、ピカソと親友だったとかで、ピカソのアトリエも撮っており、フランス語の文章が読めないことが、更に残念です。ピカソファンなのです。ブラック、ダリ、デスビオ、デュフィ、マイヨール、ミロ等とも交友があったとのこと。ブラッサイ自身にも「詩人,彫刻家」と呼びたくなるアーチストの面があった故なのでしょう。

深夜のパリに、売春婦等として生活するひとたちに向けた視線は、ロートレックのそれと同様にとても暖かく、ルオーの視線にも共通するのかもしれません。つまり、とても美しいのです。そして、神々しさも感じさせてくれる美しさなのです。ロートレック、ルオー、そして、ブラッサイの視線は。
ブラッサイの、意外な、平面的な写真も好きです。「グラフィティ/壁の落書き」は、パリの生活者の書いたイメージなのでしょうが、アフリカのネイティブなアートをも思わせるイメージで、とても私好みです(^0_0^)!

「彼の写真は何よりも、人間の本質的ないかがわしさ、素晴らしさを伝えているのである」と横江文憲氏が「世界の写真家101」でブラッサイを評しておられますが、「世界」に対して深刻に対峙するというよりは、それこそ軽妙に鼻歌でも歌いながら、くわえ煙草でシャッターを押す、という明るさがとても好きで、そうであってこそ撮れる「世界の本質」というイメージもあるのだと思うのです。

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